第37章 番外編Ⅰ 意外なヤツ【潔視点】
自分勝手に“青い監獄”メンバーと撮影をする蜂楽。
寝てる凪を揺らして起こして、でも起きなくて…
諦めた様子で、俺の隣の席に移動してくる。
「相棒とのツーショ!超どSランク重要任務っ♪」
「!? おい何だよ。撮るなら撮るって言えよ。」
「ナチュラルがいんだよー。だって潔、改まってカメラ向けると緊張しそーじゃん?」
「うっせ…!まぁ、否定はしないけど。」
「女の子が見るって知ったら余計にでしょ?」
「は…!?お前それ、ひょっとして…彼女に見せるつもりかよ…!?」
「うん。みーんなの見せるよ?“ともだちいっぱいできたよ!”って♪」
蜂楽はスマホに視線を落とすと、すぐにポチポチ操作を始める。
多分いま撮った写真、送信してるな…。
久々のマイスマホは、鬼メッセと鬼電履歴だった。
まぁ大半、昨日のゴール受けだったけど。
恋人なんているヤツは、溜まり方エグいんだろな。
「……んマジか!!にゃっはい♪」
「何だよ?蜂楽。」
「夢が、学校帰り迎えに来てくれるってー!」
「おぉ!良かったじゃん!」
「潔のコト、紹介させてよ。」
「え…!お、おう。まぁ蜂楽の彼女も見てみたいし、別にいいけど…。」
「そうこなくちゃ!うっひぃ、ワクワク!」
俺達のこの声は、案外周りに届いていたらしい。
“蜂楽の彼女が来る”というワードが独り歩きして、飢えたハイエナ達の質問攻めに合う蜂楽。
その隣で俺は、不本意ながらほんのり緊張していた。