第5章 夢の続き
「……優さんにも、言ったけどさ。」
蜂楽の癖っ毛が当たって、首のところがこそばゆい。
「廻はいつも私に元気をくれる。
色々疑っちゃったこともあったけど…今日で解った。
私には廻がいる、ひとりじゃない、って。」
無言で顔を埋めてるのが可愛くて、手を離して襟足を撫でたら…
「まだギューしてて。」
と小さく言って、私の手を元あった自分の背中に誘導する蜂楽。
「友達になってくれてありがとう…廻。」
ともだち?
今、蜂楽と私は抱きしめ合ってるのに?
友達以上のことしてるのに?
でも、恋人じゃなくて…
それでも、抱きしめたい。
……もう、ごちゃごちゃ考えても解らないや。
今はただ……
蜂楽の温かいハグが、私の何よりの“治療薬”。
“あのこと”は、蜂楽には話せないけど…
でも少しずつ…治せていけたらいいなって。
今はそう思う。
「……俺の方が、夢ちゃんいなきゃ困るし。」
蜂楽はそう言うと、顔を上げた。