第35章 リバティ ✢
「……はぁっ、廻……ナカ、出して……?」
陶酔感にどっぷり浸かった脳内に
ふっと舞い降りた“本能(インスピレーション)”。
きっとこの衝動は……私を真に開放する。
きっとこの衝動は……“ホンモノ”だ。
「……そのつもりだよ……♪」
───私達ってさ、どこまでもお揃いなんだね。
出逢った日から何も変わらない、蜂楽の眼。
不思議なくらい引き込まれて……
そのまま吸い込まれてしまいたい───。
「あっ…ああぁ…めぐるぅ…嬉しっ…んん゛っ…♡ナカぁ、ナカっ出してえぇ…廻の、いっぱい…!」
「っ、夢…♡も、俺っ、一生夢しか、はぁ、繋がらないっ…!一生夢しか、触らないっ…!
夢と、生きてたいっっ…!」
親を全否定したいわけじゃない。
自分を安売りしたいわけじゃない。
今すぐ蜂楽とどうこうなりたいわけじゃない。
この“衝動”に身を委ねていたいだけ───。
“俺、ちゃんと夢ちゃんのコト考えてなかった。
女の子の気持ちも避妊も、一番大事なコト、理解ろうとしてなかった。ごめんね。”
“今日はちゃんとっ…避妊するね。”
私を大切にしてくれて、ありがとう。
私の意思を尊重してくれて、ありがとう。
“妊娠だけは、気を付けなさいよ。”
大人が創った常識は、もういらない。
大人の正論を理想化するのは、今日でやめだ───。