第5章 夢の続き
「廻。夢ちゃんの親御さんが帰ってきてたら、くれぐれもよろしく伝えてね。」
「あいあい!」
「夢ちゃん、またいつでもおいで!ご飯だけでもいいからね。」
車で送ってくれるというお母さんに蜂楽は、
“俺が歩いて送る!今日ボール触り足りない!”
と言い、結局歩いてうちまで送ってもらうことに。
「ありがとうございました!お母さんの絵、大好きです!ご飯もとっても美味しくて楽しくて…夢みたいな時間でした。」
「ふふっ、ありがとう!これからも廻と仲良くしてね!」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「それと、私のことは優でいいよ。“お母さん”じゃお姑さんみたいで呼びにくいでしょ?」
「あはは…はいっ!じゃあ、優さんで!おやすみなさい。」
「おやすみ。廻、気を付けて帰っておいで!」
「あーい!」
いつものように片手を私と繋ぎながら、サッカーボールを触り歩く蜂楽。
春の夜は少し空気が冷たくて、繋いだ手が温かい。
「勝手に歩いて帰ることにしちゃったけど、体調大丈夫だった?」
「うん。蜂楽と優さんに、元気たくさんもらったから!」
下校の時とは違って学校のリュックを背負ってない蜂楽は、いつもよりよく動いていた。
手のひらが徐々に汗ばんできている。