第34章 ラスボス【蜂楽視点】 ✢
「んぁ…なに?自分だけ眼ぇ開けててっ…ズルい…」
「ごめん。夢を…見てたいから。」
「っ、急に真顔で…謝んないで、よっ…」
今まで伝えてきたたくさんの“愛してる”だって
間違いなんかじゃなく、ウソなんかじゃない。
だけどどこか身の丈に合わないコトを
背伸びして感じ取ろうとしてた気がする。
それはきっと、今までのキミが……
“ホンモノ”じゃなかったからだ。
夢が自分の殻を自分で破って…
ホンモノの夢(じぶん)を取り戻せた今。
正真正銘の“ホンモノ”の愛は……
今の俺と、今の夢にしか理解らないんだ。
ささやかでありふれた愛が、心地いい。
カノジョになった今の夢を、心の底から愛してる。
「……はぁっ。コッチおいで?夢。」
モノを引き抜いておいでおいですると、照れながら素直に着いてきてくれる。
毎朝“家族”で使ってるリビングの姿見に、産まれたままの姿で俺達が映る。
「脚、開いてココおいで?抱っこしてあげる。」
これならふたりとも、よく見えるね。
顔もカラダも、“ホンモノ”の愛情表現も。
包み隠さずぜーんぶ。
「ぃ、ああぁっ…!っ、め、廻ぅっ…♡」
「っっ、夢…♡“ラスボス”ぶっ壊そ…?」