第33章 プレゼント【蜂楽視点】 ✢
「わ…綺麗、嬉しい…!でもいいの…?きっと高かったでしょ?私、何も準備してない…。」
「合格祝なんだから貰っといてよ。俺が合宿の間も、モチロンその後も。ずっとずっと、肌身離さず着けててね♪」
「廻……。大切にするね……!」
夢ちゃんが嬉しそうで何よりっす♪
小振りなシルバーの月の上には、引き立て役のお星様がキラキラする。
満月の形は三日月のより少なめで…
いいカンジのを探すのはすこーしばかり苦労した。
でも“あの夜”のスーパームーンが忘れられなくて…
“満月は月のエネルギーが最も強くなるので…
内なる力や可能性を最大限に発揮するという意味が込められてるんですよ。”
店員のおねーさんの言葉が、夢ちゃんロスだった俺をフルムーン探しに駆り立てた。
「新しい“束縛の糸”。気に入ってくれた?」
“っっ、夢、夢、壊れちゃえ……!
壊れて俺だけのモノになれ……!夢っ……!”
あの時、俺がきつく締めすぎた“束縛の糸”。
真っ黒に歪んだ愛情表現。
それをぶっ壊して……苦しいの越えて……
また何度でも新しい愛を、夢に結んであげるね。