第33章 プレゼント【蜂楽視点】 ✢
『綺麗だよね。廻は本読まないから知らないだろうけど、月はよく女の人に例えられるんだよ。』
『へぇ、そーなんだ。』
俺が勝手に月だと思ってる夢ちゃんのコトを褒められたみたいで、なんか嬉しかった。
『月は、人間の“豊かな感情”を象徴してるんだよ。
月光は癒し…慈悲と愛情。女性の大きな優しさだ。』
心に鍵をして秘められてた、夢ちゃんのエモ。
月の満ち欠けみたいに変わってくキミは、キレイだ。
優しい光で彩られた、たくさんの色の感情。
そっと包み込んでくれる、大きくて静かな愛情。
やっぱ夢ちゃんは───“お月様”だね。
『じゃあさ、男はなんなの?』
『廻ならもう、理解ってるんじゃない?』
優はニコッと笑って言った。
『太陽はエネルギーに満ちてて、未来を切り開く力がある。
月と太陽。どっちが欠けてもダメで、両方の存在があってこそ世界は成り立ってるんだ。』
『ほぇー。スケールでっか。』
『月と太陽って、お互いがかけがえのない存在なんだよ。』
───かけがえのない存在。
夢ちゃん、俺達もそうなれるかな……?
何年一緒にいても、永遠に一緒にいても。
キミと俺が、別々の夢を追いかけ続けても。
“月と太陽”みたいに、愛し合えるかな───?