第33章 プレゼント【蜂楽視点】 ✢
「俺は、まだ夢が食べたい。」
夢ちゃんは、驚いた顔を赤くして俺を見る。
そのキレイな眼に、まだまだ俺を映しててよ。
「夢に、プレゼントがあるんだ。」
腕枕したまま、きゃしゃな首筋に吸い付く。
ひとつひとつ丁寧に俺のマークを刻んでいくと、白い肌に咲いた赤い花みたいでキレイ。
「あっ、廻…ん、あ…」
「ん、夢…俺の夢。キレイ。」
もう何個目かな……10個は余裕でいってる。
細い首をグルっと囲んだ、ネックレス型のキスマ達。
「は、ぁ…多い、よっ。ちょっ…」
「んー。コレでOKす♪」
“ホンモノ”になった俺の、正式な愛の印。
コレはね……掛け直した“束縛の糸”なんだ。
「この“ネックレス”は、二連なんだよ♪」
───ねぇ優、聞いて……?
夢ちゃんにやっと、“お月様”渡せるよ───。
✢✢✢
夢ちゃんがマスターの家にいた二週間。
優が俺に教えてくれたことがある。
『廻。最近よく月見てるね。』
『そう?』
無意識だった。
夜になるとカーテンを開けて空を眺めてた俺に、
近付いてきた優が言った。
夢ちゃんがいない空白が辛くて、でもそれを優には悟られたくなくて、なんともないフリをした。