第1章 おねがい
昼の高い太陽が窓から照りつけて、彼の後ろから逆光が差し込む。
くりっとした大きい黄色の眼と眼が合って、この瞬間、思考が止まった。
不思議なくらい引き込まれて……
そのまま吸い込まれてしまいそうな
独特の存在感。
中性的な彼の整った顔に少しの間
見惚れてしまった。
「……えと。部外者は入らないでください。」
気付けば知らない人の顔を何秒も見てしまって、気まずくなって目を逸らした。
「にゃはは♪ごめんね!いつも図書室で寝てるんだけど、俺の昼寝席あいてなくて。眩しいからこの部屋借りちゃいました!」
「昼寝席って…。」
「おょ。もしかして俺、怒られてる?ごめんなさーい!もうしないから許して?ね?ね?」
「い、いや…そんな。」
「キミのお願い、なーんでも聞いちゃうからっ!!」
反論の余地なく、強引に話の進路を持って行かれる。
別に怒ってはないし…そもそもそういう話じゃないし。
素直そうな人だけど、初対面の私に対してそこまで言うなんて。
中身も、とても不思議な人だ。