第32章 ディストラクション ✢
大学に合格したことを優さんやマスター、父と担任にも早く連絡しなきゃというのが頭の片隅にあった。
───そんなもんは、おいといて───
「んんっ……!」
今までとは比にならない熱量のキスをされた瞬間。
口移しでぶち込まれる、そんなエゴイズム。
それを受け取った私の脳は……機能を停止し始める。
「はっ、はあ……ん」
「はぁ……め、ん、ぅん」
キスしながら、性急にリビングの床に押し倒される。
指をギュッと深く絡め合って……
唇でヌルっと舌を食み合って……
教科書的でマトモな思考の停止と共に……
私と蜂楽の“本物の恋人関係”が始まる───。
「やっとだ。やっと……繋がれるね♡」
───蜂楽の声が……甘すぎる。
「覚悟はできた?俺の全てを、受け入れる覚悟。」
───蜂楽の眼が……妖しすぎる。
ここからは、なんだかあっという間だった。
しつこい程に名前を囁き合って、狂う程にキスした。
「っ、夢、夢…♡すき、夢♡」
「ん、廻…。あっ…めぐる、めぐるぅ…」
知らないうちに蜂楽のTシャツを剥いでいて、
知らないうちに私の上半身は下着だけにされていた。