第29章 おつきさま【蜂楽視点】
俺、決めたよ。
俺が夢ちゃんの“太陽”になる。
夢ちゃんと俺の関係は
月と太陽みたいに……決して無くならない。
太陽が月に夜を任せるように。
月が太陽に朝を任せるように。
絶対的な信頼を、誓うよ───。
「……できた!」
柔らかく俺に微笑む美人さん。
俺だって絵得意なんだからね、なかなかに上手。
「ずっと見守っててよ?“お月様”。」
今日の日付を書いて仕上げた夢ちゃんと、
JFUから送られてきた紙を交互に見る。
俺はこの合宿で“ともだち”を探す。
“ともだち”と、最高に楽しいサッカーをする。
俺は“月(夢ちゃん)”の“太陽”でいるから、
夢ちゃんは“太陽(おれ)”の“月”になって?
この合宿で少しの間、キミと離れ離れになっても…
たとえ、地球の裏側にいたとしても…
日食(かさなる)ことが、できるでしょ?