• テキストサイズ

【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第28章 兄と妹





“っっ、夢、夢、壊れちゃえ……!

壊れて俺だけのモノになれ……!夢っ……!”




蜂楽は、常軌を逸してた。

それは、私も同じだった。



このまま壊されても……いいと思った。




「恋愛なんぞアドバイスできる立場じゃねぇけど。

アイツの愛は間違ってる。あの“重さ”は、お前の心を縛り付ける足かせでしかねぇよ。」




蜂楽の足首にミサンガを縛った瞬間、私も感じた。


でもその頃とは比にならない、道の逸れた飛躍。




マスターは正しい。


私と蜂楽の“衝動性”は異常だった。





「……首絞め(アレ)は俺自身、受けた虐待だ。

だから手荒なコトしてでもって、体が勝手に動いちまった。」




そっか。

やっぱり“お兄ちゃん”は……優しいな。



痛みを解ってる人の言葉は、何よりもいい薬になる。




「このままだと、ウイルスみてぇに体を蝕むぞ。」




───解ってる。



でも……でも……





「……でも私、廻を……愛してるの……」





眼から勝手に伝う感情。


蜂楽が私に、思い出させてくれた感情(コト)。




喜び、怒り、哀しみ、楽しみ。


空っぽだった私の心を、蜂楽は満たしてくれた。




「……重症だな。」




ボソッと呟いて、マスターはコーヒーをすすった。



「……とりあえず、しばらくは学校休んで俺ん家いろ。首の鬱血すげぇし、自分ちにも帰れねぇだろ?」


/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp