第4章 記憶
「俺、眼が好きなんだ。
その人の心が一番出るところだから。」
蜂楽の黄色の眼が、私を捉える。
この眼からは、逃げられない。
初めて逢った日にも感じた、独特の圧。
「夢ちゃんの眼は寂しそうで、本当の俺を理解ってくれそうな気がした。
俺はその直感を信じてる。」
視線を離すことなく私の肩に両手を置いて
ゆっくりと上体を後ろに倒していく。
「……ば、蜂楽っ……!?」
「キレイな心の人だってすぐ判った。夢ちゃんはすごく、魅力的だよ。」
ベッドの上で、蜂楽に押し倒される。
“あの時”と……同じように。
「だめぇ……どい、て……」
「だいじょーぶ。えっちなコトなんてしないから。
こうしてね、夢ちゃんのキレイな眼をもっとよく見てたいんだ。」
───体が勝手に震える。
落ち着かなきゃ……!
「はぁっ……はっ……」
今、私に覆いかぶさってるのは蜂楽だ……!
“あの人”じゃ、ない……!
「それに俺、夢ちゃんが嫌がることは……」
蜂楽を拒みたいんじゃない……!
なのに、息がゆっくりできない……!!
蜂楽は……
「はっ、はぁ……はぁっ……!」
“あの人”とは……違うのに───。
「夢ちゃん!?」