第27章 噛みつかれた日 ✢
「……俺達さ、愛し合ってるよね?」
「っ!?ぅぐっ……!!」
低く狂った声の後、両手で首の側面を掴まれる。
「狂愛(あい)し合ってれば、何されても……
だいじょーぶなんだよね?」
頸動脈を押さえつけられて、絞められる。
「アイツに俺とのコトでも相談してた?
抱いてくれないってグチってた?
夏休み終わる直前、泣きながら頭撫でられてたの、見たんだよ…?俺との約束ガン無視してさぁ…?」
お母さんの不倫現場に、居合わせた日。
あの日はマスターに話を聞いてもらい、淹れてくれたミルクティーを飲みながら頭を撫でてもらってた。
一度家に戻ると言ったものの、酷くショックを受けてそれどころではなくなってしまった。
蜂楽との関係が希薄になったのは、それからだ。
「ち、が……!!」
蜂楽のことなんて相談してない。
他の人にあなたとのことは話さない。
「身内は店に入れないなんてテキトーなウソ、
俺に通用すると思った……?」
蝉川との関係で、快感を得るためだけの首絞めプレイを強要されたことがあった。
あの嫌悪感と恐怖は、忘れられない。
なのに今、不思議だな。
廻にされるなら……私……嫌じゃないよ?