第26章 いけないこと ✢
「っ、夢ちゃん。夢っ……」
「あ……ん、廻ぅ……」
まだまだ暑い9月。
エアコンの無い私が借りてる部屋では、夏場は正直寝付けない。
だから猛暑という口実を利用して、蜂楽のベッドで一緒に寝る生活。
にも関わらず、夏休み中は“廻物展”準備の多忙や大阪滞在、その後に来た生理で…
案外、体同士の重なりは少なかった。
“接触”を避けるオーラルは何度かした。
けど、それ以上に物足りない夜は更に続く。
「やぁっ、痛ぁ……」
「好きなんでしょ?」
ここ何日か、噛み合う愛撫だけで終わってしまう。
「い、ぁ……!」
「痛かった?俺のコトも…痛くして?」
唇、首筋、鎖骨、肩……ほぼ脱がなくてもいい部位。
強く噛み合って、強く吸い合って、それだけ。
「っ、は……廻、痛い……?」
「そんなんじゃ俺は満足しないよ?夢は優しすぎる。もっともっと痛くして?ゾクゾクするくらい。」
「ぁ、廻。その顔ダメぇっ…」
「ああっ♡そお…そおぉ…♡」
変態に拍車がかかってる蜂楽。
いや……物は言いようだけど。
“ああ、汚してくれて嬉しい……廻♡”
いやいや……私も同じ穴のムジナだけど!
でも、それを差し引いても。
蜂楽の様子が……少し、変だ。
「……廻。最近なにか、怒ってる……?」