第26章 いけないこと ✢
「久々のラブラブ登校!おんなじ家に住んでるって、自慢しちゃおー♪」
「だ、ダメだよ!付き合ってることにはなってるけど、さすがにね。」
あれ……“付き合ってること”?
私達って本当にまだ、付き合ってないんだ。
「ちぇー。夢ちゃんチャリンコ転がしてるから
手も繋げないしー。」
こんなに一緒の時間を過ごして……
こんなに深く愛し合って……
まだ、付き合ってないんだ。
「昼休みに生徒会室で会うのも9月末までだなんてさー。つまんなーい。」
蜂楽は頭の後ろに手を組んだ。
「家でいつも一緒じゃん。」
「学校でイチャつくのがいいんじゃーん。」
今月末で、私は生徒会を引退する。
やる気満々の蝶野くんが、きっと会長選挙で当選するだろうから。
引き継ぎが終われば……生徒会室には行けなくなる。
「ふたりだけの場所、また探そ?」
「だね♪」