第25章 渋みのミルクティー ✢
“まだパイナップルの缶詰めあるから、今度ケーキ作ってあげる。”
“マジ!?いえーい♪夢ちゃんだーいすき♡”
前にしたやりとり。
近いうちには焼きたいなって思ってた。
けど、蜂楽家に住み込むことになったり急にバイトを始めたりで、なかなか実現できずにいた。
「今日も夢ちゃんの夕飯じゃないんだぁ。食べたいなー。」
「二学期始まればシフト4時7時になるから、また作るね。優さんが作るご飯だって美味しいでしょ?」
「だね♪とりま夢ちゃん家に学校のモン取りに行きますか。」
「あ、それはひとりで大丈夫。自転車使うし、一旦荷物置きにココ戻るからさ。
そしたらバイトの行き帰りは、また一緒にいてくれる?」
ちゃんと友達や恋人なんてできたことのない私は……
サプライズなんて、やったことないから。
びっくりして喜ぶあなたの顔を……
今日は描けたらいいなって、思うよ。
「俺も行きたい。待ってるから一緒に行く。」
「廻、宿題まだでしょ?早くやっちゃいなさい。」
「…夢センセぇ。帰ってきたら、保体のトクベツ実習プリーズ♡おねがいしやすぅ…♡」
「センセーは美術のお勉強があるのでダメでーす……あはっ。どんな世界線コレ!」
「だははっ!夢ちゃんエロ賢いからついついね♪
チャリンコだけど気を付けて!」
「なに、エロ賢いって…独特…!」
笑い合って、幸福(しあわせ)を噛みしめる。
時にはぶつかるけど、それだけ深く愛し合える。
こうやってずっとずっと、一緒にいられるよね?