第24章 ラッキーカラー
「あざっした!!」
体育会系の気持ちの良いお礼を言われて、なんだかこっちまで背筋が伸びる。
何時間も夢中で遊んで、遅い昼食を一緒に食べて。
日焼け止めなんて全く意味ないくらいに全員真っ赤に日焼けしていた。
「いつでも千葉にきなよ!またヤろーぜ♪」
「だね。また来てね!明日のデズニィー楽しんで!」
この素敵なカップルに、たくさんの元気を貰った。
もちろん蜂楽からも。
こんな呼び方、おこがましいけど……
もう二度と逢えない、一期一会の“友達”。
今日のペディキュアのオレンジ色は……
あのふたりを呼び寄せてくれたラッキーカラー。
「すげぇ楽しい思い出になった。秋田と同じくらい、千葉が好きんなったわ。」
「あたしも!ふたりのお陰で、最高の日だった♡」
國神くんは、ふんわり笑った。
またと来ない青春の一日を、大切な人と過ごせてとても嬉しそうだ。
「キミ達、めーっちゃいいカップルじゃん♡」
眼を細めた彼女さんがニヤニヤして言うから、反射的に顔が火照る。
「にゃは!でしょでしょ?そっちもね♪」
日焼けしてひりつく私の肩を、蜂楽はガッと抱き寄せた。
「ちょ、痛った…!」
「うわちゃー。めんごー♪」
「軽っ♡」
「軽ぃな。」
連絡先は交換しない…そんな特別感がまたいい。
とっておきの時間をありがとう。
四人で笑い合って、バイバイした。
「最高の誕生日になった。本当にありがとう。」
仲睦まじく並んで歩くふたりの背中に、私は呟いた。