第24章 ラッキーカラー
「カップル対抗でいーい?」
「おっけ♪」
國神くんの彼女さんと蜂楽は、天真爛漫感が似ている。
「荷物、俺らのトコ置いていいぞ。」
「あ、ありがとう…!」
國神くんは口数は少ないけど、信頼のおける人だと初対面でもよく判る。
ビーチサンダルとラッシュガードを脱げば、心まで開放的になれる。
「蜂楽廻、いくでござる!!ハイキューじゃあ!!」
「きゃー!!錬介ひろってー!!」
「うっわ、砂やべぇ…!!足取られっ…!!」
「あっはは!廻、ナイッサじゃーん!!」
「いえーい!!ハイターッチ♪」
こんなに笑って遊んだのは、初めてだ。
蜂楽とふたりきりで遊ぶのとは、また別物の楽しさ。
「ほい夢ちゃん!!スパイク打っちゃえー!!」
「うっそ飛べなっ…!?あぁーっ……!!」
「錬介あたし取る!!ほぁっ!!」
「うっしゃ!ナイスレシーブ!!」
不安な気持ちが、蒸発していく。
勝手に感じてた気まずさが、消化されていく。
根拠のない“だいじょーぶ”に、包まれる。
「にゃはは!!者共、守れ守れーい!!」
「廻ももっと頑張ってよ!?運動部っ!!」
「お前何部?俺、サッカー。」
「お、マジ?俺も俺もー♪」
「ふたりともサッカー部!?すごーい偶然ー♡」
「足技使ったろ、足技♪」
結果はまだ、どうなるかなんて解らない。
明日のことは、どうなるかなんて解らない。
でも私には……廻がいる───。