第24章 ラッキーカラー
生理のこと、やっぱり蜂楽が戻ってきたら話そう。
意地張りすぎてた……これはふたりの問題だ。
もし検査薬が陽性だったら……
どんな選択をすれば、ふたりが幸せになるのか。
たくさんのことを、考えなければならない。
高校生の私達にとって……重すぎる議題だ。
生理……お願いだから来てよ……。
「ママー、どこー?ママー!パパー!」
幼い声が私の前を通過する。
5歳くらいの男の子、迷子みたい。
寄せてきた波に足を取られて転んだその子の元へと行ってみる。
「ボク、大丈夫?」
「ねぇ、ぼくのパパとママ、どこ……?」
涙目で私を見上げる男の子。
弟や妹がいない私は免疫がなくて、この天使にすぐに心打たれる。
「お姉ちゃんが一緒に探してあげる。」
「ホント?ありがとうおねえちゃん!」
パァッと表情を明るくし、私に抱きつく。
眼がクリクリで、蜂楽を彷彿とさせる可愛さ。
いま“子供”には……ちょっぴり敏感ではあるけど。
「この子の家族の方、いませんかー?迷子でーす!」
その子と手を繋いで、少し周りを歩いてみるけど……
家族も、助けになってくれるライフセーバーさんも近くにいない。
「あの。大丈夫すか?」
あ、ライフセーバーさん?
後ろから声を掛けられて振り向けば……
オレンジ色の髪をした、筋骨隆々な人がいた。