第23章 がまん【蜂楽視点】 ✢
大阪の大都会で、異色なカッコの俺。
ポケモントレーナーの修行に旅立てば、きっとこんなになるんだろな♪
汗まみれ、泥まみれ、すり傷まみれで、白いブラウスと黒いパンツでキメた夢ちゃんと歩く。
「どう?優の個展、楽しい?」
「うん、すっごく楽しい!色んな人の話聞けてるし、展示のバリエーションもたくさんあるんだなって…勉強になるよ。」
「夢ちゃん眼ぇキラキラ♪俺はね、達成感ヤバくて脳汁ブシャーなった!」
「あっは!ん?千葉からずーっと走って来たの!?」
「うんにゃ!日本橋までは電車。あとはトラック乗っけてもらったり、ヒッチハイクしたり、走ったり♪」
「すごいよね…!体力もだけどバイタリティがさ。メーター振り切ってる…!」
「夢ちゃんのロゴもいっぱい貼られてたね♪すごいや!」
「ありがと。でも殆ど…優さんのお陰。」
「けんそんしなさんな♪素直に自分の手柄にしちゃえばいーんだよ。」
何日かぶりに話す夢ちゃんは、知らない世界を知れた楽しさを、色んな感情で受け止めてた。
マジで大阪来てよかったと思う。
最近そっけなかったのは……
やっぱ、忙しかったからなんだよね。