第3章 ともだちデート
私が食べかけたクレープを、カプッと口に含む蜂楽。
「イチゴも美味なり♪」
……また間接キス。
頭が……着いていかない。
「いいかげん信じてよ。俺のこと。」
そのまま至近距離で囁かれる。
「彼氏役頼んできたの、夢ちゃんでしょ?」
大きい黄色の眼の中に、自分が映り込む。
私の顔は多分、真っ赤か。
恥ずかしくて、恥ずかしくて……
どうにかなっちゃいそうなのに……
それでも蜂楽は、すぐに畳み掛けてくる。
「夢ちゃんも俺のどーぞ!はいっ、あ〜ん♪」
「ええっ、人前だし!!つかもう色々と無理っ!!」
「誰も見てないって!ほら、あ〜んしなさいっ♪」
ホント可愛いから……!!
こんなに可愛いこと言うくせに、ちゃんと頼れる男子とか…
「……っ」
「にゃは♪やっとあ~んした♡」
ズルいズルいズルいズルい……!!!!
「俺、夢ちゃん以外の女の子に、キョーミないから。」
口の中にクレープの甘さを感じない。
感じるのは、耳元で低く囁く蜂楽の声の振動だけ。
「安心した?」
高いトーンと低いトーンの声を巧みに使い分けてる。
舌をペロッと出してから、また蜂楽が言った。
「間接キス&あ~ん、オプションゴチ♪」
はぁぁぁぁーーーー!!!!????