第3章 ともだちデート
「ん?どったの、夢ちゃん?」
「……え。蜂楽…口、付けたよ?いま。」
「??うん。そっちも飲みたかったから。ダメ?」
「……え、ううん。ダメじゃ、ないけど……。」
「夢ちゃんも、俺の飲む?」
「ええっ!!そ、それは大丈夫!!間に合ってます!!」
「そーぉ?照れ屋さんだコト♡」
「……え。」
……確信犯だったー!!!!
可愛い顔と言動から想像できない。
翻弄するテクニックが桁違いだ。
不敵な黒笑を浮かべている蜂楽は、もはや別人格。
私ホント、からかわれてんのかな……?
「あの…蜂楽。ほんっとに女の子と付き合ったことないの?」
「ありゃ、まだ信じてない?逆に、恋愛偏差値高い俺って想像できんくない?」
「……女子慣れ力半端ないけど…?」
「でも俺、サッカー部なのにモテないし、モテたいと思ったこともないよん?
あ!ねぇねぇ夢ちゃん!お腹減らない?クレープ食べよ、クレープ♪」
本当に自由だ。
自由な蜂楽は、とても素敵。
素敵なんだけど…今はそういう話じゃなくて……。
「夢ちゃんイチゴのにするんだ。レモネードもイチゴ入りだったし、イチゴ好きなんだね!」
「!!無意識に選んでた!確かにイチゴ好き。」
「俺もイチゴ好きでよく選ぶよ♪
そうだ。夢ちゃんが無意識にイチゴ選んじゃうなら、俺がイチゴ被りしないやつを選べばさ…。」
蜂楽が近付いてくる。
後ろから私を包み込むように、肩に手を掛けてきて…
「ふたりとも、2種類食べれるね♪」