第3章 ともだちデート
「ここが……原宿!!」
「はぐれないように、手繋ご?」
連休中の原宿はかなりの混雑で、自然と手を重ねてくれる蜂楽が優しくて嬉しい反面。
“今日は友達”って言ったのは蜂楽だよ?
結局手繋ぐとか、本当にズルいんだから。
「わっ、すごーい!!」
お店の可愛くてカラフルな看板。
道行く人達の個性的なファッション。
今この時しか食べられないキラキラなスイーツ。
自分が昨日まで生きてきた平凡な世界が、
一瞬でアップデートされる。
「なにして遊ぶ?」
「なんでも良い…!!初めてだよ、こんな世界!!」
「目ぇキラキラ夢ちゃん新鮮だね♪俺のど乾いちゃった!ここ並ぼ?」
蜂楽とレモネード屋さんの行列に並ぶ。
竹下通りでは、なにをするにも行列だ。
でも並んでいる間だって、ちっとも退屈じゃなかった。
蜂楽とのおしゃべりが、時間を忘させてくれたから。
「マジで初めて来たんだね、夢ちゃん。」
「友達と遊んだの、小学校卒業のタイミングでデズニィー行った以来!中学生の時は勉強の息抜きにたまーにひとりでバッセン行ってただけだなぁ。」
「え、マジで!?やっぱかっけぇね!んなら今日バッセンも行っちゃいますかっ♪」
「あははっ!まだ打てるかなぁ〜。」
「お手並み拝見♪てか俺、夢ちゃんとデズニィーも行きたいにゃ♪絶対楽しいやつじゃん!」
「行けたら楽しいだろね!もうめっちゃ変わってるんだろうなぁ。」