• テキストサイズ

【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第19章 お守りみっつ





パイナップルが何個か入った袋を口に咥えたまま喋り、手にはイチゴの袋を持つ。




「……あ、りがと……」




唇に当てられたイチゴをそのままパクリ。

凍ってて、冷たい。



凍ったものをめったに食べない私にとって、この多忙と暑さの中でやっと辿り着けたオアシスみたいだ。


蜂楽はパイナップルの袋を手へ持ち替えて、イチゴをまたひとつ摘む。




「もいっこ。あーんして。」


「み、みんな見てるから…。」


「いーじゃんそんなの。あーん。」




いやに色気ある声と顔で迫る蜂楽。


なんだか一皮むけて大人になったような雰囲気なのに、言ってることは子供のまま。




「……っ」



根負けしてしまって、素直に口を開く。



「……おいし。」




蜂楽のクラスはフローズンフルーツだから、自分のところの模擬店のものみたい。


同じ本部テント内にいる生徒会メンバー、特に蝶野くんからの視線が……痛い。




「何しに来た。部外者は本部(ココ)に入るな。」


「は?俺、カラオケ参加者なんですけど。順番待ちしちゃってごめんあそばせ♪」



蝶野くんと蜂楽は、またバチバチする。




「イチゴ持って行くって、約束したでしょ?」




瞼を少し閉じて、影がある眼で私を見下ろす蜂楽。




何もかも見透かしてるような気配を孕んでる。



昼間のこともあるし……

ケンカみたいなこの空気も、思えば初めてで……



緊張する。


/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp