第19章 お守りみっつ
運営側である生徒会は、大忙しだった。
見回りのシフトもあって、そのうち蜂楽のことを考えてる暇も無くなった。
事前に決めていたことなんて、本番じゃうまくいかないもの。
“あれがない”“これが邪魔”って、色々なクラスや部から勝手なこと言われて対応に追われた。
2年生のフロアには、近付かないようにした。
蜂楽と出くわしてしまえば、私は機能しなくなるから。
バタバタしてたせいで、後夜祭の時間は意外とあっという間に来た。
でもこれで、嫌だった生徒会長の仕事は大方終わる。
「後夜祭も最後になります。カラオケ参加希望者はステージ前にお集まりください。」
アナウンスした蝶野くん。
カラオケ大会参加者の順番決めを終えた後、
本部テントに戻ってきた。
「蜜浦先輩。大事な話があります。後夜祭終わった後で、お時間いただいても大丈夫ですか?」
「……あの、えっと……」
話って“告白”的なヤツなんだろうか。
彼は彼でストレートだから、返事に困った。
すると突然、唇に何かを当てられる。
「んっ…?」
ヒヤッとする、赤い一粒。
驚いて後ろを振り返った私の前に……
「はえる?(たべる?)」
大好きな人がいた。