第3章 ともだちデート
「GW中、部活オフの日があるんだよね。夢ちゃんと遊びたぁい。」
“ニセ恋人”とか、友達とか…
この関係はどうでも良かった。
そう言われて素直に嬉しかった。
“ただの蜂楽”で、私は最高に嬉しい。
中学にあがってからは、友達と遊びに行ったことなんて皆無だったから。
「それって……デート、なの?」
本当は嬉しいくせに、照れ隠しで聞いてしまう。
「夢ちゃんがデートって思ってくれるなら、俺もそのつもりで来るけど♪」
「なにそれ、言い方ズルいよ…。」
「今回は友達でいよっか?ご都合いかがですか、お姫様?」
「いつだって空いてますわよ。“ニセ彼氏”する必要もないもんね。」
「いえーい!きまりー♪どこ行く?」
連絡先も未だに知らなかった。
遊びに行くならそろそろ知りたいな、と考えていたら…
「コード読み取って♪俺の連絡先!」
いつも先を越されてしまう。
蜂楽にだったら、もっと自分から行動を起こしたいと思うのに。
蜂楽の連絡先を手に入れてからずっとずっとドキドキしていて……
友達とこんな風になるのって、何年ぶりだろ?
いや、中学のアレはナシとして……初めてだ。
オンライン授業が始まっても、こんな風に昂っていて集中できない。