第15章 おそろい ✢R15
初めて言葉にした、自分の中に眠っていたイメージ。
口に出すことで、自分の目的地を明確にする。
この行き先は、担任や両親にもまだ伝えていない。
「先月、廻くんに原宿を案内してもらいました。
竹下通りのカラフルな看板には、私の“好き”が体現されてました。」
そう、いつだって。
私を変えるきっかけを……蜂楽はくれる。
進路希望調査のプリントが、学校のリュックにまだ入ったままだ。
提出期限は明後日…週明けの月曜日。
「素敵じゃん!応援するよ!
そういうの、CI(コーポレートアイデンティティ)とも言うよね。」
「あん時の夢ちゃん、眼ぇキラキラだったもん♪」
優さんと蜂楽は、にっこり微笑んでくれた。
このふたりに見守られているというだけで、前向きな気持ちになれる。
「で、夢ちゃん。もし良ければ、なんだけどね…」
優さんは、ちょっと照れくさそうに私を見た。
「ウチに住み込んで、私のアシスタントしない?」
「え?」
思ってもない、言葉だった。