第15章 おそろい ✢R15
バッセンの後、お昼ご飯を食べて、お揃いのモノを探しにあちこち歩いた。
「夢ちゃんて、音楽聴くひと?ヘッドホンとか♪」
「聴きたいけど、なかなか聴けないひと。」
「あ♪スマホケースは?」
「いいね。あ、でも機種全然合わないね。同じのないや。」
高校生がお揃いにできるモノって、巷にはたくさん溢れてる。
道行く同世代のカップルを見ると、思いっきりペアルックの人達も結構いる。
服やアクセサリーだけじゃなくて、鞄や靴もアリらしい。
学校にも、キーホルダーとか文具とか揃えてるカップルいるし。
そういうのも、憧れはするけど。
なんかこう…“いつでも一緒”感があるものがいいなって。
私、個人的には思う。
「……ねぇ、廻。ミサンガ作る?」
「うっそん!夢ちゃんミサンガ作れんの!?早く言ってよ♡俺ミサンガがいい♪」
蜂楽はパアッと顔を輝かせ、抱きついてきた。
食いつきが良くて、安心した。
「中学の時、女子マネふたりで部員全員分作ったんだよね。あ!シーグラスでも使う?おしゃれだし!」
「いいねいいね!!海に探しにいこっ!!手作りのモノって、特別感あって良き〜♪」
お店で、刺繍糸の色を決めている時。
「夢ちゃんのイメージ、何色かにゃ〜♪」
「私、蜂楽選手推しなんで。黄色一択!」
「にゃは!俺の推し第1号♪」
インナーカラーと眼の色をもう一度見たくて、
蜂楽の頬に手を当てて、髪を内側からゆっくり広げた。
すると蜂楽は、私の顔を見つめたまま動かなくなった。