第2章 帰り道の約束
蜂楽は少しの間、沈黙してから、
「俺は本当は……ひとりぼっちなんだと思う。」
と、だけ言った。
この言葉の意味は解らなかった。
ただ、聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がして、これ以上は喋らないようにした。
「…俺で良ければいつでも頼っちゃって♪俺も夢ちゃんを頼るからさっ!」
蜂楽から大人びた雰囲気は消え、また無邪気さが戻る。
彼はウインクしてから、また手を繋いでくれて歩き出した。
指を一本一本絡ませた、恋人繋ぎ。
男の、蜂楽の指が暖かく絡む。
心地良い暖かさが、蜂楽の優しさが伝わってきて…
恥ずかしいけど、すごく安心する。
離そうと、思わない。
蜂楽も何かあればちゃんと、私を頼ってくれるといいな、なんて。
この時の私は、漠然と思っていた。