第14章 ニセモノのやり方 ✢
という経緯がある。
ちょっと言い過ぎたかな、なんて。
私のほうがシュンとしてるのが、また悔しかったり。
もしかしたら蜂楽、シリアスな話してたから、
場を和ませようとしてくれてたのかな?
「夢ちゃぁん、一番風呂ありがとー♪
また風邪ひいちゃうよん?次どーぞー!」
脱衣室から出て来た蜂楽が髪を拭きながら……
全裸でキッチンにやってきた。
これも、場を和ませるためだったりする……?
「は!?ちょっ…!?服着てっっ!!」
「俺、裸族だから♪」
裸族とか言われても……
目のやり場に……困るんだけど。
「俺の大事なトコロ♡こないだ見たっしょ?」
「見せびらかすな……!!」
「あ、酢豚できてるー!うまそー♪夢ちゃんがおフロから出てきたら、一緒に食べよーね♪」
「さっ!先に食べててもいいよっ!?」
「うんにゃ、待ってる!一緒に食べたいもん♪」
ひとまず、下半身くらい隠してから喋って欲しいな。
動揺して狂う手元をなんとか鎮めて、お皿にラップをかけた。
「ねぇ夢ちゃん。さっきのさぁ…。」
「んぇっ!?な、なに?」
全裸の蜂楽は、私のほうに更に近付いてくる。
「さっきのあのカンジ、久々じゃない?
“ノビタさんのエッチ!”的な。」
「え?さ、さっきの…?えっと…セクハラ?」
全裸なのに、距離が近い……声が裏返る。
「セクハラなんて人聞きが悪い!俺からの愛情表現だよん♡」
言いながら背後に立たれて、緊張マックス。
ラップをかけたお皿をガン見した状態で、顔が上げられない。