第14章 ニセモノのやり方 ✢
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『ふたりで……あったまろーよ♡』
情熱的な誘い文句。
ふたりの間に一瞬、ピンク色の雰囲気が漂う。
『……ぁ、あの、それは……恥ずかしい、です。』
体を洗う所とか、見られるのはかなり恥ずかしい。
それにまだ……最後まで、してない仲だし。
『なんでぇ?日曜はあーんなコトしてくれたのに?』
流されそうになるから、その上目遣いやめて欲しい。
しんどくて、蜂楽から眼を逸らした。
『夢ちゃん、もしかして……』
妙に真剣な口調になった蜂楽が言った。
これ、パターン化してきたような?
『今日は勝負下着じゃない、とか?』
平然と、雨で濡れた制服のシャツの上から、ブラのホック部分を掴まれてパチンと弾かれた。
『っっ!!??』
『今日は中にインナー着てるね!いいこいいこ♪
でもね、俺は下着なんて気にしないよ?どーせ脱がしちゃうし♡』
エスカレートした蜂楽は、何の躊躇いもなくスカートをピロッとめくって身を屈めた。
『!? やだっ…!!ふざけっ…』
『にゃは、今日はピンクじゃ♪全然アリじゃーん♡黒とかセクシー系はシュミじゃないのかにゃ?』
『ーーっっ!!勝手に話を進めるなぁ!!!!』
いざ行為をしようってなった時の気分の盛り上がりって、そういうムードがあるからで。
こういう風にオープンにセクハラされたり
お風呂に一緒に入ったりとは
なんか恥ずかしさが違うっていうか……。
『セクハラ罪っ!!ひとりでお風呂入れ!!』
『ぎゃおす!!今のは低価格オプションでしょ!?』
『全然解ってない!!!!女子には男子に、されていいことと嫌なことがあるのっ!!』
『俺達、もっとすごいコトした仲じゃん♡下着とかおフロくらいで恥ずかしがらないの♪』
『はぁーー!?“くらい”!?さいっってーー!!
もう知らんっ!!絶対一緒に入らないから!!!!』
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