• テキストサイズ

【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第13章 もう泣かない。





「怖かったね。俺がいるからもうだいじょーぶだよ。」



玄関で立ったまま、ギュッと抱きしめられる。




「夢ちゃんになんもなくて…ホント良かった。」




安心するのに、罪悪感。


嬉しいのに、喜ぶのは許されない気がする。





「……遅かったね、帰り。」


「今日、生徒会の会議。文化祭…近いから。」


「にゃるほどね。
にしてもストーカー、マジで蝉川じゃなかったんだ。アイツ確実いま学校だから安心してたよ。」


「え……どうして、“あの人”のこと……」





……うそ。


蜂楽がどうして、蝉川と私の関連に辿り着いて…





「蝉川が俺にドヤってきたんだ。夢ちゃんとのこと、ペラペラ喋ってきた。」





───全身から血が引いていくのが判った。




好きな人には、蜂楽には……




知られたくなかったこと───。





「ぁ……あ……蜂、楽……ごめん、なさい……」




体が震える。


脚が……ガクガクする。




私……嫌われちゃう……!




「辛かったね。」




蜂楽は私の後頭部まで押さえて、更に強く抱きしめた。




なんで?




なんで、こんなに最低な私を……


まだ、庇ってくれるの?




「なん、で……私っ、のこと、そこまでっ……!」




大粒の涙が…自然に溢れ出す。




「ごめんね夢ちゃん。守ってあげられなくて…ごめんね。」




蜂楽はなにひとつ、悪くないでしょ?




「うっ……なんでっ、謝るのぉ……。優しく、するのっ……!」




過去の私が……愚かだったんだよ?




あんなヤツ好きだったばっかりに。


あんなヤツと自分を、最後まで信じたばっかりに。


/ 180ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp