• テキストサイズ

【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第13章 もう泣かない。





「(……気のせい、気のせい。)」




コツコツコツ……




近すぎず遠すぎず、適度な距離感を保った靴音が続く。




「(ウソウソ!やだ、こんな時に……!)」




少し速歩きしてみる。




コツコツコツ……




「(追いかけて、くる……!)」






……待って、よく考えたら。

蝉川は今……合宿にいるはずだ。



尾行してるのは、蝉川だと思ってたのに。




それなら……




コツコツコツ……




───誰なの……?






「……っ!!」



さしていた傘を畳んで走り出した。

真正面から雨が当たり、顔が濡れる。




あのコツコツという足音。



あれは多分……

蝉川の足音じゃ、ない。



大人の男の、足音だ。





「はっ……はぁっ……は!」





走って走って、息を切らして。

雨に濡れても転びそうになっても、走り続けて。






怖い、怖い……!怖い!!




怖いよ、助けて……蜂楽……!!




……廻っ───!!






「……はぁ、はっ……」




家に着いて息を切らす私の目の前に……




「夢ちゃん。」




合宿に参加しているはずの蜂楽が、しゃがんでいた。


/ 180ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp