第11章 ビター ✢R18
経験して解ったが、親に避妊具を強制的に持たされるというのは、思春期の高校生にとって強烈だ。
ただの“支給品”だと、割り切れる度胸も無い。
親のメンツを保つため?自分の身を守るため?
勿論、大事な理由ではある。
当時の私も、今の私も、誰が相手でも。
高校生である以上、当然避妊は必須だ。
産科医の両親が敏感になるのは承知しているし、
親として、娘の私を心配してくれてるのも解る。
だったら……どうして、こうなるの?
もっと普段から私の側にいて……
見守って、助けてくれれば良かったじゃん。
その程度の私との時間も取れなかったくせに。
どこぞの知らない女性達のためにばかり、時間を費やしてるくせに。
私にはこの避妊具が、自由を認めぬ“鉄の首輪”に感じる。
父と母の支配からは逃れられない、というメッセージ。
避妊を失敗する娘はいらない、という産科医達からの強いプレッシャー。
父と母が心配していたのは“高校生の妊娠”で、
私の、心や体のことでは無い。
“彼のこと好きだったんだよね。辛かったね。”
と、一言の慰めも無かった。
親の愛情って……一体、何なんだろう?
私は純粋に自分のために、
もう傷付かないために、
ゴムを持つという選択をしたかった。
父と母の、ためじゃなく。
これは私の……取るに足らないエゴなんだろうか?
父と母にバレてから、蝉川との関係は終わったが。
結果的に、一ヶ月間は蝉川に犯され続けた。
毎回媚薬を口移しされ、毎回5回くらい犯された。
私は心も体も疲弊して、抱き潰された。
もう蝉川を好きか嫌いかも判断できない程、追い込まれた。