第11章 ビター ✢R18
「だから金曜日は一緒に帰れなくなっちった。ごめんよ。」
一昨日の試合会場からだって、途中の河川敷から一緒だったし。
蜂楽と一緒に帰らないのは、出会った日からは初めてだ。
「つまらん合宿だし、サボっちゃおっかな。」
「廻、サッカー優先してよ。」
蝉川の蜂楽に対する態度は心配だけど、私のために合宿に出ない選択をされることも嫌だ。
蜂楽のサッカーの、足を引っ張りたくない。
そう言いつつ帰り道への不安もあって、とても複雑だ。
それに、金曜日は生徒会の会議で帰りが遅くなる。
来月に控えた文化祭の会議で、会長の私は出ないわけにはいかない。
「1日くらい大丈夫!合宿で楽しいサッカーと出会えるかもしれないよ?
私、サッカーしてる廻が好き!」
「…うん♪」
会議が終わったら、すぐに帰ろう。
1日くらい……大丈夫だよね?