第11章 ビター ✢R18
───どうして?
私、頑張ったのに…
あなたのために、我慢したのに…
どうして、こんなことするの?
待って、置いてかないで……
私はまた……
ひとりぼっち───。
あれ?息が……できない。
「っ!!かはっ!!はぁ、はっ……!!」
今日もまた、蝉川の夢をみた。
蜂楽に出会ってからは、見なくなったはずの夢。
それが昨日に続いて……。
火曜日。
熱が下がったから、学校へ行く準備をしよう。
淡々と、こなすしかない。
「合宿?」
「うん。今週金曜日の放課後から一晩。土曜日の夕方には終わるかな?」
「試合に負けたからの合宿ってこと?」
「それもだけど。新チーム立ち上げがんばっていきまっしょい的なのと、3年の引退思い出づくりってトコ?」
「え、3年も?」
「半分は打ち上げっしょ。あいつらイキってくるんだろね。ホヤホヤOBのくせに。」
昼休み、蜂楽からサッカー部の合宿の話を聞いた。
今週末に学校の合宿所で一泊。
3年も来るってことは、“あの人”、蝉川も来る。
蜂楽はGW明けくらいから、蝉川に目をつけられてるって言ってた。
3年が一昨日の試合で引退したって言ってたから、その点は少し安心してたんだけど…。