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恋人設定(仮)

第3章 デート(仮)


次の休みの日。

家でお菓子を食べながらマンガを読んでると、逢坂くんから電話がかかってきた。

「近くの公園にいるんだけど、ちょっと出て来れない?」

私はあわててジャージをジーンズとパーカーに着替え、寝癖を直した…けど直らなかったからとりあえず髪留めを付けた。

「ごめんね。急に呼び出して」

公園に着いた私に、彼が少しすまなそうに言った。

「いいよ。家でマンガ読んでただけだから。なんか格好が適当で…ふふっ、恥ずかしいけど」

私は照れ笑いした。

「そんなことない。君はどんな時でも素敵だよ」

そんな…

そんなすごいことをサラッと言っちゃう逢坂くんはすごい。

設定だから言えるのかなぁ…。

「これを渡したくて今日は来たんだ」

そう言って彼は私に大きな包みを差し出した。

柔らかくてフワフワした感触。

「開けてみて」

「何?これ?え、もしかして」

可愛いピンク色の袋の中には、遊園地で私が逢坂くんに似てるって言った黒いクマくんのぬいぐるみが入っていた。

「うわぁ〜!可愛い〜」

「この間のデートのお礼だよ。やっぱりプレゼントしたくて。隣町のモールにキャラクターショップがあるから今日行って来たんだ」

「うれしい!ありがとう〜」

私はぎゅうーとクマくんを抱きしめた。

「ふふ…喜んで貰えて良かった。でもちょっとクマくんに嫉妬しちゃうなぁ…」

彼は冗談めかして笑った。

私、本当は逢坂くんに抱きつきたかったけど、必死でガマンしてクマくんを抱きしめたんだよ。

「逢坂くんだと思って大事にするね」

「うん。なんかちょっと恥ずかしいけど」

照れくさそうに彼が笑った。

私もちょっと恥ずかしくなって笑った。

そしてクマくんのほっぺにチュッとキスした。
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