第1章 出会いと宿命
秀吉「今日からここがお前の家だ」
桜「…っぅ」
秀吉「何も言うな、まず湯浴みをして、着替えろ。話はそこからだ」
湯浴みを済ませ、匂いも幾分かとれたか、かわきくっついた髪もしっとりと艶を戻し、良い匂いのする着物に包まれた。
桜「秀吉殿…」
秀吉「おぉきたか。やっぱりな。見違えるようだ」
桜「このような施しを頂くような人間にはございません」
秀吉「俺が拾ったものをとやかく言われる筋合いはない、黙っていろ、信長さまにはいずれ話を通す」
桜「あの…・」
秀吉「なんだ_?」
桜「なぜ私を助けたのでしょうか?」
秀吉「人を助けるのに理由がいるのか?」
桜「…。」
秀吉「俺が助けたかったんだから気にすることはない
それにすべての人を助けられるわけではない。大事にしてくれ、その命」
気づけば頭を垂れ土下座をした
桜「この御恩、一生かけ、この命にかけてお返しいたします。秀吉さまの温情を請け、恥ずかしながら生きながらえてしまいました。」
秀吉「やめろ、やめろ。堅い挨拶は。秀吉さんでいいし、お前の仕事はくれてやる。この城で働け。」
桜「はい」
城に入ってから桜は初めて人として働くのであった。