第4章 VS 世界選抜チーム
は雰囲気で流されるようなちょろい女ではない。
初めての時がお互い思春期と言うべき年齢だったのは、若気の至りに流されたわけではなく、応じなければミヒャエル・カイザーを見殺していたという確信があったからだ。
親しい人を見殺したくない、近い未来で子供を産むなら相手は選びたい、そういう思惑があったからだ。
では何故今、は防音抜群なホテルの部屋でレオナルド・ルナとアダム・ブレイクと3人きりでいるのか。
何故、彼らと交互にキスしているのか。
「んっ……、はぁ、!」
「独り占めは良くないよアダム。交代」
「ふ、……、っ」
「ん〜♡」
「チッ」
サッカー界のトッププレイヤーであるレオナルド・ルナとアダム・ブレイク。
実力はもちろん、女性ウケの良い容姿もあって欧州では様々な浮き名が立っている。(は数字しか見てないので全く知らないが)
そんな2人は外からの評価がおおむね同じでも、当然性格が同じと言うわけではない。
好みの女性のタイプも違うし、なんなら3人以上でセックスする趣味もない。
相手がでなければ、目の前のむさ苦しい男と1人の女を共有するなんて論外だった。
そう、相手がでさえなければ。
「!おっと、ごめんごめん。苦しかったかな?」
「……長い」
ルナは今、に配慮してキスを中断したわけではない。
あと1秒遅かったら、がルナを殴っていたからだ。
「いいね。こんなにゾクゾクするのは初めてだよ」
「悪趣味」
ルナは殴られて興奮するような男ではない。
がルナを殴っていれば、そこでルナは行動不能になっていた。
つまり、“女が力尽くで男を拒否した”という新鮮な事実に興奮したのだ。
「長ぇのは同意だな。そろそろこっちも楽しませろ」
アダムがの背中にあるドレスの繋ぎ目を解く。
はらりと防御力のない布が腰まで落ち、華奢な肩やきゅっとくびれた腰、それに似つかない豊満な双丘がふるんと露出された。
実際はの高い身長に合う肩や腕だが、それでもアスリートにとっては十分華奢と言えるだろう。
ごくり、と2人分の唾を飲む音が聞こえた。