【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】
第9章 【コミュ企画】【ヒロアカ】それは瞬く星のように【ホークス】
「私だけの力ではどうすることもできませんでした。だから世間にこの意味を問おうとしました。そのファイルはこれまで公安が行なってきたグレーゾーンの捜査、取り調べの情報をまとめたものです」
「そんなものリークしたらあなたの方がタダでは済まないでしょ、自分がどうなるか考えなかったんですか?」
「私のことはどうでもいい、どんなに汚れたっていいんです。どうせ元から汚れていますから」
「どうでもいいなんて言わんでください」
そんなに握り込んだら怪我しちゃいますよ、とホークスの手が私の拳をそっと解く。
「もし仮にあなたがその情報をリークして、俺が潜入捜査から外れることができたとしても俺は喜べません」
「……なぜですか?」
「あなたを犠牲にすることになるからです」
迷いのない言葉に衝撃を受ける。
「……どうして?……私は犯罪者の娘です、敵になるしかない女です。そんな女、犠牲の内に入らないでしょう?」
「あなたは敵じゃなか」
そんなこと初めて言われた。
ほんの少しだけ胸の奥が温かくなる。
でも即座に否定が首をもたげてきて、胸の奥を真っ黒に塗りつぶした。
「……あなたは私のことを知らない。だからそんな風に言えるんです……」