【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】
第9章 【コミュ企画】【ヒロアカ】それは瞬く星のように【ホークス】
返事をできずにいると、ホークスは私の座っている椅子を少し回し、隣の席から椅子を持ってきて向かい合わせに座る。
そして静かに問いかけてきた。
「じゃあ、なんでこういうことしようと思ったのか、聞いてもいいですか?」
「……潜入捜査の人員を変えたかったからです」
「え、どうして?」
純粋な疑問形に驚いて顔を上げると、ホークスは文字通り目を丸くしており、更に頭を掻きながら「俺ってそんなに信用ならないですかねぇ」と苦笑する。
「違います!」
思いの外、大きな声が出てしまった。
こんなに大声を出したのは人生で初めてかもしれないくらい。
でも溢れ出る感情は止まらなかった。
「あなたはウィングヒーロー ホークスです!潜入捜査なんてあなたの仕事ではありません……!」
きれいなきれいな世界、
あなたはその世界を守るヒーローなのに。
「ヒーローがこんな所にいては駄目です。こんな……!」
「こんな?」
「……こんな、暗くて汚い場所にいちゃいけないんです」
あなたの翼が、心が、汚されてしまう。
「公安は時に敵のようなやり口で捜査を行うこともあります。でもそれはヒーローに累を及ぼすものであってはならない。それなのに公安は、私達はっ、あなたに敵連合のスパイとなるよう命じた!」
意味が分からなかった。
どうしてヒーローがそんなことをしなければならないのか。
警察庁や公安委員会には潜入捜査を行う人員もノウハウもあるはずなのに、なぜ敢えてヒーローを選ぶのか。
敵連合に潜入するということは、ヒーロー本来の活動ができなくなることと同義、それどころか悪事に加担しなければならなくなる可能性も高い。
ホークスの翼を捥ぐに等しいその行為をどうしても許せなかった。