【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】
第8章 R指定】【呪術廻戦】玉屑(ぎょくせつ)【五条悟・夏油傑】
私達の思い出を掌サイズのガラス玉に閉じ込めたとして。
掌からそのガラス玉を落としてみた。
ガラス玉が砕け散って足元に散らばったのを見て。
私達はその破片は拾わずに、踏みつぶしながら歩いてきた。
ガラスの破片は粉々になって、少しだけ歩きやすくなった。
もう二度と、破片はガラス玉には戻らない。
『どっちか選べ?』
仁美の寮の部屋で、五条悟と夏油傑は仁美の言葉に満面の笑みを浮かべて頷いた。
え?なんでどちらかが選ばれると思っているのだろう。
そんな二人の笑みとは対照的に、仁美の顔はスンと真顔になる。
『どっちも選ばない。』
仁美がそういうと、心底信じられない顔を二人同時にした。
そんな所は本当にそっくりだ。
『それは無し!ここまで俺達に尽くさせてどっちも選ばないはあり得ないだろ。』
『悟と比べられて選ばれない事が到底信じられない…。』
お互い言いたい事言っているが、仁美はそもそもこの茶番すら、彼らの喧嘩の延長の楽しみとしか思えない。
『1人1人がまどろっこしいんだったら、いっぺんにヤる?』
『……………。』×2
何を?なんて聞かなくても分かった。
ナニの事なのだろう。
いい事言った様な顔をしている悟と呆れた顔をする仁美。
こういう所がふざけていると言っているのだ。
『……………。』
そしてちょっと考えちゃう傑もまた。
仁美からしたら悟と同等だった。
『…私を挟んで、3人で楽しみたいと?』
仁美がニヤッと笑ってそう言ったので、2人の頭に同時に『イケる?』と無駄な期待がよぎった。
その2人の期待の込めた顔を見て、仁美はさらに深く笑って言った。
『あんた達と私の体格差分かってる?私を挟んで気持ちよくなって事が済んだ後にあんた達が見る顔は………私じゃなくてあんた達2人が向き合った光景だよ。』
『……………。』
仁美がそう言うと、想像してしまった2人の顔が一瞬で真顔になった。
同時にこんな筋肉質の2人の胸板に挟まれながら抱かれたら、仁美だって息の根を止められるだろう。