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【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】

第7章 【幽遊白書】その蕾はいつか花となる【修羅】




水着で混浴風呂が入れるとは、玄海師範も粋な計らいだ。

まぁ、妖怪たちに楽しく過ごして貰いたい。
今回ばかりは蔵馬も、その玄海師範の意思を汲んだ。


「はぁぁぁ~…気持ちいいですね修羅様。」
「……………。」
「蔵馬達もいましたが、海も楽しかったですね。」
「……………。」

仁美が話しかけても、修羅からの返事は無かった。

「修羅様?」

自分に背中を向けている修羅に、仁美は顔を覗いた。

「……ボクは…やっぱり仁美と2人で来たかった。」

眉間に皺を寄せて拗ねたようにそう言った修羅に、仁美の胸がまたキュンと鳴る。

「…修羅様……。」

嬉しい。可愛い。
この気持ちをどうすればいいのだろう。

仁美は締め付けてくる胸を押さえて、修羅に近付くと、彼の頰にそっとキスをした。

「!仁美!」

修羅がビックリした様に仁美に振り返ると、仁美は嬉しそうに笑っていた。

「修羅様。私これから沢山に人間界に来ます。蔵馬さんに聞かなくても分かるように沢山人間界の事を勉強します。」

そう言うと、仁美はゆっくりと修羅の手を握った。

「次は私が修羅様を誘っていいですか?」
「………………。」

断る訳が無い。
修羅は同じ様に仁美の手を握り返して、仁美の唇にキスをした。

触れただけのキスはすぐに離れた。
だけどビックリして開けたままの瞳に、修羅の真っ赤な顔がいっぱいに映った。


「次は絶対2人。」

そう力いっぱい言った修羅の顔を見て、仁美はやっぱり思い切り笑って答えた。

「はい!!嬉しいです!!」


さっきまでは蔵馬達との時間をあまり楽しめなかったけど。

この後のバーベキューと、馬鹿みたいに騒いだ同室での格闘技ごっこはまぁ楽しめた。

総じて…。
仁美がいればどんな場所でも楽しいのだと。
改めて感じた小旅行だった。




       ー完ー
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