【R指定】リクエスト・コミュ企画短編集【原作色々】
第6章 【R指定】【WB】彼はクリスマスケーキより甘い【梅宮一】
「うん、クリスマス?クリスマスは勿論……。」
12月になっても、梅宮からクリスマスの予定を聞かれなかった。
だから仁美は忙しい梅宮を捕まえて、自分から梅宮に聞いた。
「商店街の手伝いだよー。」
「………………。」
めちゃくちゃいい笑顔で、梅宮は仁美に答えた。
梅宮ならそう答えるかもと思っていた。
終わった…私のクリスマス…。
今年こそは…梅宮を独り占め出来るんじゃないかと期待していたが、やはり今年もボッチは確定らしい。
付き合って2年…。
仁美はよく我慢したと自分を褒めたかった。
「仁美とは25日の夜に時間取るからね。」
「…………(私は売れ残りのクリスマスケーキか。)」
仁美の部屋でベットの上で梅宮からのバックハグ。
からの甘いキスの嵐も、この時ばかりは素直に受け取れなかった。
「…仁美、クリスマスプレゼント何が欲しい?」
後ろからのキスに飽きたのか、梅宮は仁美をベットに押し倒して顔を覗き込んだ。
「………一…。」
仁美は梅宮の顔から目を背けて、ボソッと言った。
自分の名前が出てきて、梅宮の顔がパァッと明るくなった。
「俺はずっと仁美のモノだよー!!」
痛いほど抱き締められて、キスの嵐を浴びさせられる。
「痛い!一!もっと優しく!!」
梅宮が興奮すると、力加減を間違ってくるので、仁美からすればイチャイチャも命懸けだ。
そして、いつもはもう少し優しく言えるが、今はとても梅宮を庇う気持ちにもなれない。
少し不機嫌そうな仁美に、梅宮は抱き締めていた体を離した。
体を起こして仁美を見下ろす。
「……仁美、寂しい?」
「………………。」
そう聞かれた仁美は、顔を隠す様に腕を目元に置いた。
涙が出そうな顔を見られたくなかったからだ。
スリッと梅宮の手が仁美の頬に触れた。
そして隠れていない口元を見ると、唇が少し震えている。
「……ごめんね、仁美。」
そう謝りながら、梅宮はまた仁美の唇にキスをする。
ズルい人だった。
こうして謝りながら、仁美に我慢を強いている。