第1章 傑視点①
きっかけは二人の逢瀬を見かけてしまったことだ。
悟と深いキスを交わすの乱れた表情が頭から離れなかった。
姉を性の対象として見てしまっている。
それがいけないことだと分かっていながらも興奮を抑え切れず、その日の夜、情欲に乱れるを思い浮かべながら自慰をして劣情を吐き出した。
後日、二人の逢瀬をまたもや見かけてしまった私は罪悪感を持ちながらも、から目を離すことができなかった。
女性に対してこれほどまでに興奮して夢中になったことはない。
それが敬愛している姉に対してという背徳感さえ私の劣情を駆り立てているのだ。
その時、悟と目が合った。
驚いて内心焦っている私とは裏腹に悟はとキスを交わしたまま目だけはじっと私のことを見ていた。
落ち着きのある悟のその様子から見るに、悟は私と目が合うよりも前に私が見ていることに気付いていたのだろう。