第1章 01
「それにはトミさんのお孫さんでの性格も貴方はご存知でしょう。」
「………。」
退紅はバツが悪そうな顔をする
「……もう、眠気も吹っ飛んじゃいましたよ。碧棺さん、台所に何か食材は有りますか?あれば貸して下さい。」
「何するつもりだ?」
「そこのおじいちゃん逃さないでくださいね。小浦さん、お久しぶりです。」
「お久し振りです、キッチンはこちらになります。」
「ありがとう御座います。ちょっとお借りしますね。」
が小浦と部屋を出て行くと退紅に視線が移る
キッチンに着くと小浦は冷蔵庫を開け牛蒡と牛肉を出しに渡す
「これで良いか?」
「良く分かりましたね。」
「トミさんの牛蒡と牛肉のきんぴらはオヤジが好きだったからな。」
「んじゃ、ばあちゃん直伝のきんぴら作りますか。」
が調理をしながら話をする
「ありがとうな。そして、すまなかった…。」
「なんで小浦さんが謝るの?」
「お前達に嘘ついた。」
「良いんじゃないですか?人間生きてれば知られたくない事とかあるでしょ。それに退紅じいちゃんも小浦さんも私とばあちゃんに隠し事してたけどウソはついてないでしょ。私覚えてるよ、退紅じいちゃんは、お偉いさんで小浦さんはその秘書だって言ってたよ。それに私にとって退紅じいちゃんは退紅じいちゃんだし小浦さんは小浦さんでしょ。」
は牛肉きんぴらを炒めながら小浦に言う
料理ができると小浦が酒もつけて退紅とMTCメンバーたちの部屋へ戻る
「からお夜食です。」
「はどうした?」
がいない事に退紅が小浦に問う
「でしたら少し疲れていたみたいなので別部屋で寝ております。」
「そうか。」
「皆さんの分も有りますのでもし宜しければ食べて行ってください。」
小浦が牛肉きんぴらの小鉢をテーブルに置く