第3章 猛毒の情火(五条視点)
「はぁ……ゆめかっ」
我ながら凄まじい量が出たと思う。
僕が呼吸を整えていると、彼女はまたシーツに顔を埋めてしまった。
僕は体を起こして彼女を仰向けにさせ、唇に口付けた。
「んっ……」
触れるだけの軽いキスを繰り返しながら髪を撫でる。
汗ばんだ額に張り付いた前髪を払い、そのまま頬から首筋まで愛撫する。
ゆめかは僕の手のひらに頬擦りしながら甘い吐息を吐いている。
「……悟、もっと」
と、オネダリされて理性が爆ぜた。
結局、このあとゴムの残数が尽きるまで交わってしまったのは不覚の至り。
自分の欲求を発散させるのを優先してしまった。
一晩中抱いても、ゆめかの口から「好き」という言葉は聞けなかった。
それでも、快楽に溺れて僕を求める身体だけでも繋ぎ止められたら、今はそれで充分だと思った。
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