第6章 ご主人様のお気に召すまま【後編】
すぐには激しく動かず、甘えてキスするようにゆるく最奥に擦り付けられて、腹から背中がゾクゾクと粟立つ。
悟の両手が腰骨をしっかり掴み、ゆっくり腰を引いていくと、またゆっくりと中へ押し戻される甘ったるい痺れに、だらしなく口が半開きになる。
「ん……あぁ、っ……はぁ……あっ」
「ねぇ……僕の、気持ちいい?」
「あ、あ、気持ちい……っ……」
緩慢な動きにさえ、奥がキュンと締まる。
肉壁が彼に縋って勝手に絡み付くのが、自分でもどうしようもなくて恥ずかしい。
口元を押さえていた手を悟に拘束され、後ろから打ち付けられる度、媚びて悦ぶ声がこぼれる。
「ああ……やだっ、窓から誰かに見られちゃう……っ」
見知らぬ誰かに目撃されているかもしれないという羞恥心と同時に、ガラス一枚だけで外部と隔てられた空間で性行為をしている背徳感が、身体の芯を熱くさせる。
「よく言うよ、興奮してる癖に」
私を辱めながらも心底愉しそうな悟の声に、耳から下腹部がさざ波のような快楽で支配されていく。
ガラス越しに夜景が見えて、その美しさとの対比がいやらしくて、余計に興奮してしまう。
「あぁっ、や、奥っ、スリスリされると気持ちイ……っ、いの……ッ」
「あー、ホント最高。僕のでゆめかの中が悦んでる……たまんないね」
ビクビクと小刻みに中を痙攣させて絶頂に達した私に構わず、彼の行為は終わらない。
容赦なく硬い鋒(ほこさき)でぐりっと最奥を擦り上げられて、意識が遠のきそうな恍惚にガラスに爪を立てる。
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