第5章 ご主人様のお気に召すまま【前編】
悟の後頭部へ手を伸ばした瞬間、不意打ちで噛み付くように深く口付けられる。
唇を舐められて、舌を吸われて。舌先同士を合わせるだけで全身が疼きを覚えた。
中も外も彼で満たされている感覚に、繋がった部分が熱く蕩けて勝手に彼を締め上げる。
「……ゆめか、出そう」
その呟きの直後に、彼の腰に脚を絡ませて引き寄せた。
「あっ……あぁ……悟」
限界を迎えた悟の陰茎が中でビクビクと脈打ち、熱いものが溢れてくる。
じんわりと広がるお腹の奥の温かさ。
瞼の裏で瞬く白閃光、絶頂に抗わずに私も果てた。
荒い息遣いだけが室内を満たす。
悟は徐に身体を起こすと、まだ硬度を保ったままの自身を引き抜いた。
ドロッとしたものが肌を伝う感覚に、背中がざわめく。
それから手早く後処理を済ませてティッシュをゴミ箱に投げ捨てると、ぐったりと脱力している私を、ベッドの上で悟が抱きしめてくる。
「夜もあるし、少し休む?」
耳元で囁かれた言葉に、私は小さく首を振った。
太ももに当たる硬いものに、また腹の奥が疼き出す。
疲れてはいるけれど、もっと彼に愛してほしい。
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